「最近、気分が落ち込みやすい」「疲れているのに眠れない」「仕事や人間関係のことを考えると気持ちが重くなる」
――そんな状態が続いているとしたら、それは単なる疲れではなく うつ のサインかもしれません。
特に北海道、札幌のような冬が長い地域は、仕事のストレスや人間関係の悩みから「自分だけがつらいのでは」と感じてしまう方も少なくありません。
そのような状況で必要とされているのが カウンセリング です。
薬だけに頼るのではなく、専門家との対話と心理療法によって心を整理し、再発防止や自己理解につなげることができます。
「誰かに安心して話を聞いてもらえる」「問題を解決できる」という体験が、孤独感から解放される第一歩となるのです。
とはいえ、「カウンセリングって本当に効果があるの?」「医療とどう違うの?」「どんなときに受けるべき?」と不安に思う方も多いでしょう。
そこで本記事では、うつとカウンセリングの基本、薬物療法との違い、札幌でカウンセリングを検討すべきケースや効果 についてわかりやすく解説します。
「このつらさを少しでも軽くしたい」と感じている札幌の方にとって、きっと参考になる内容です。
どうか一人で抱え込まず、まずはこの記事を最後まで読んでみてください。
目次
うつ病とは?症状と特徴

うつ病は「心の風邪」と呼ばれるほど一般的な病気ですが、単なる一時的な気分の落ち込みとは異なります。
脳の働きや神経伝達物質のバランスが崩れることで発症し、適切な治療や支援を受けなければ長期化する可能性が高い精神疾患です。
代表的な症状には次のようなものがあります。
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・強い気分の落ち込み、無気力感
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・何をしても楽しいと感じられない
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・集中力や判断力の低下
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・睡眠障害(眠れない、過眠になる)
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・食欲の減退、体重の変化
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・消えてしまいたい」といった希死念慮
〈出典〉 ICD-10バージョン:2019 (who.int) うつ病の一歩手前のサインにも気づけるよう次のようなものをチェックしてみてください。
・「ささいな決めごと」に迷う
・「動作が緩慢(かんまん)になる」
・ 会話の返事が遅くなる
・「仕事や家事の効率が悪くなる」
・「遅刻するようになる」 ・「忘れっぽくなる」
これらの症状は日常生活や仕事、人間関係に大きな影響を与えるため、早期の対応が非常に重要です。
鬱病を発症させる要因とは
環境要因
うつ病の原因としてもっとも多いのが 環境要因 です。
職場でのストレス、人間関係のトラブル、身近な人との死別や離別といった喪失体験は、強い心理的負担となり、うつ病の発症につながることがあります。
環境の変化に適応しきれず、心が疲弊してしまうケースも少なくありません。
幼少期の体験
(厚労省の研究からの抜粋。)
厚生労働省の調査によると、幼少期(13歳まで)の虐待経験 がうつ病の発症リスクを高めることが明らかになっています。
殴打などの身体的虐待に限らず、親の不仲や言葉による傷つきといった精神的虐待も同様に影響を及ぼすとされています。
こうした経験は、成長後のストレス耐性や人間関係の築き方に大きな影響を与えるため、うつ病の重要な原因のひとつといえるでしょう。
出典:厚生労働省「こころの健康についての疫学調査に関する研究」
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うつ病の治療方法とカウンセリングの位置づけ
うつ病の治療には大きく分けて「薬物療法」と「心理療法」があります。
薬物療法は症状を軽減する効果が期待できますが、再発予防や根本的な生活改善には心理的なサポートが欠かせません。
特にカウンセリングは、本人が抱えるストレスや思考パターンに気づき、少しずつ改善していくために有効です。
そもそもカウンセリングとは?
うつの治療法としてもよく使用される「カウンセリング」とは、臨床心理士や公認心理師といった専門家が、安心できる環境で対話と心理療法を行い、心の問題を整理するための支援方法です。
「ただ話を聞いてもらうだけ」と思われがちですが、実際には次のような働きがあります。
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・自分の気持ちを客観的に整理できる
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・ネガティブな思考のクセに気づける
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・問題への新しい視点や解決の糸口が見つかる
- ・問題解決に向けて感情の整理と処理ができる
・自己理解が深まり、生きやすさにつながる
特にうつ病の場合、自分だけで解決しようとすると「考えすぎ」「自分を責める」悪循環に陥りやすいため、専門家による第三者的な視点が大きな助けとなります。
うつのカウンセリングでは何をするの?

当カウンセリングルームでは、うつ病のカウンセリングでは、症状や背景に合わせて次のような流れで支援が行われます。
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1.丁寧なヒアリング
現在の生活状況、気分の変化、人間関係の悩みなどを聞き取ります。
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2.思考の整理と認知の見直し
カウンセリングと認知行動療法を用い、「自分はダメだ」「失敗するに違いない」といった否定的な思考パターンを認識し、より現実的で前向きな考えに置き換えていきます。
- 3.感情・記憶の処理(EMDR・催眠療法の活用)
単に考え方を変えようとしても過去の記憶や感情が原因で再びつらさが戻ることがあります。過去の記憶や感情が原因となっている場合は、それらを安全に整理・統合するEMDRや催眠療法が有効で、根本的な改善につなげることができます。
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4.対処法の習得
ストレスが強まったときにどう対応するか、行動療法やリラクゼーション法を取り入れます。
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5.再発予防の支援
一度症状が改善しても、再発のリスクは高いため、セルフケアや生活習慣の改善をサポートします。
うつ症状のある方に対するカウンセリングでは、一人ひとりが抱えている悩みや症状に合わせてカウンセラーと一緒に考えたり話し合うことで気持ちを楽にすることや、自分がしたいことや自分はどうするべきなのかなどについて考えることで自己理解を深めるといった効果が期待できます。
うつのカウンセリングは通常、公認心理師や臨床心理士の資格を持った専門のカウンセラーと1回1時間程度のカウンセリングを実施し、最終的な目標は”うつの症状改善”です。
カウンセリングと診療(薬物療法)の違い
カウンセリングとは、精神科医や心療内科医が行う診療とは違うものです。
精神科・心療内科などの医療機関では、主に診断や薬物療法が中心です。
これに対し、カウンセリングは「対話を通じて心を整理する」ことが目的です。
・診療(医療)
医学的な治療、診断、薬の処方
・カウンセリング
心理療法、心理的な理解、自己洞察、行動改善の支援
両方を併用することで、より効果的な回復が期待できます。
特に、薬だけでは取り除けない「生きづらさ」「思考のクセ」には、カウンセリングが有効です。
カウンセリングが受けられる病院もあります。
しかし、健康保険適用の制約により病院と専門家のカウンセリングルームとでは、行われるカウンセリングにも違いがあります。(詳しくは
こちらを)
うつ症状にカウンセリングが必要な時は?
以下のような場合は、札幌で専門的なカウンセリングを受けることで改善の糸口が見つかりやすくなります。
当ルームでは認知行動療法の他、EMDRや催眠療法などの心理療法も取り入れ、薬だけに頼らないサポートを行っています。
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1.自分の気持ちを整理できず苦しいとき
→ 思考がまとまらず感情に振り回されるとき、心理療法を通じて気持ちを整理し、心の負担を軽減できます。
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2.職場や家庭の人間関係が原因でストレスが強いとき
→ 人間関係のトラブルやストレスが続くと心が疲弊します。薬や休養だけでは根本的な原因が解決されず再発につながることもあります。
カウンセリングを通して、職場や家庭の問題、考え方や行動パターンといった背景要因を整理し、根本から解決することで、再び同じ環境に戻っても適応できる可能性が高まります。
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3.薬の効果だけでは十分に改善を感じられないとき
→ 薬で一時的に症状が軽くなっても、過去の記憶や感情が原因で再びつらさが戻ることがあります。
認知行動療法、EMDRや催眠療法は、その根本的な処理を助け、より深い改善を目指します。
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4.再発を防ぎたいと考えているとき
→ うつ病は再発しやすい特徴があります。カウンセリングでは、セルフケアやストレスコントロール法を習得し、再発予防につなげることが可能です。
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5.「話を聞いてほしい」「安心して気持ちを出したい」と思うとき
→ 誰にも言えない気持ちを抱え込むと、孤独感や不安が強まります。札幌のカウンセリングルームとして、安心して話せる場を提供し、心の回復をサポートします。
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まとめ
うつ病とカウンセリングの正しい理解を
うつ病は誰にでも起こり得る病気であり、決して特別な人だけがなるものではありません。
薬物療法と並んで、カウンセリングはうつ病からの回復と再発予防に大きな効果を持つ方法です。
自分の状態に合わせて、医療とカウンセリングの両方を上手に活用することが大切です。
もし「うつ病かもしれない」と感じているなら、一人で抱え込まず、まずは専門家のカウンセリングを受けてみましょう。
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FAQ(よくある質問)
Q1. うつ病のカウンセリングはどのくらい通えばいい?
→ 個人差がありますが、最初は週1回から10日に一回、その後は症状に応じて隔週や月1回などに調整します。
Q2. 薬とカウンセリングはどちらが効果的ですか?
→ どちらか一方ではなく、併用することでより効果的です。薬で症状を和らげつつ、カウンセリングで根本的な部分に取り組むことが理想です。
Q3. カウンセリングは保険適用されますか?
→ 一般的にカウンセリングは保険が適用されません。カウンセリングは1回8,000,円ほどかかり継続する必要があるため、経済的負担を考慮したペースをお勧めしています。