催眠心理療法
催眠療法に熟達した公認心理師が
心の奥深い領域の問題を開放します。
心理支援職の方の中にはまだ、催眠心理療法に
懐疑的な印象を持つ方がいらっしゃいます。
しかし催眠誘導を十分に習得し、
催眠心理療法を心理援助で実践されている
心理職の多くはその有効性を高く評価しています。
催眠療法は、フロイトがヒステリーの治療法に
催眠を用いたところから始まり、
精神分析やその他現代の精神心理療法へと
枝分かれをして発展していきました。
催眠療法を使用する目的は、
不安や抑うつ状態の方へ、脳が整う感覚や、
意識を考えから遠ざけて、
心と身体への安心感を会得したり、
自分の内にある感情の緩和、
過去や現在の行動修正、
未来場面のイメージ強化など多岐に渡ります。
催眠状態でリラックスを経験された方は、
一様に覚醒してながら感覚的に癒されている、
という過去に経験したことがない、
不思議な状態だとおっしゃいます。
脳科学では癒されている時に出るα波、
覚醒している時のβ波、
瞑想の時に出るθ波が大きく変化をして、
「脳が整う」感覚だと言われています。
これだけでも、心と身体の緊張がほぐれ
健康な心の状態への回復を促進させます。
また催眠状態は、一時的に思考が休んで感覚、
感情、過去の記憶の領域へと意識を導いてく
れます。
これは、カウンセリングや他の心理療法に催
眠状態を用いることで、問題解決の可能性を
広げてくれます。
催眠状態への入りやすさには個人差があります
ので、カウンセラーがクライエントの感受性に
合わせて安全に行います。
公認心理師資格と催眠医学心理学会員である事
で、安心して催眠療法を受けて頂けると幸いです。
うつ病に対する催眠療法
うつ病は様々な要因で起きる心の病です。
うつ病はその方が生きてきた環境や出来事、
価値観などが心を苦しめていることが多いの
で、お薬だけでは改善が難しく、
心理的サポートは不可欠です。
うつ病に対する催眠療法では、
一昔前は、うつ病となった原因を明らかにする
ための退行催眠や観念シグナル(質問に対して
無意識下でYES、NOの合図を送る)、
イメージなどが多く使われてきました。
しかし近年では、うつ病特有の否定的な認知へ
のアプローチが主流となっています。
出来事に対して瞬間的に浮かんでくる考え方が、
気分と行動に影響を与えているという理論を
もとに行う治療を認知行動療法と呼ばれ、
精神科病院でも多く取り入れられるようになり
ました。
しかし、考え方を変える手法だけでは期待す
る効果が見られないケースがある事も分かっ
てきました。
そのため、事前のカウンセリングでこれらを
行った上で、催眠療法を用いて無意識領域下
で肯定的な考え方へシフトをする暗示や
イメージで新しい考え方での気分や行動
の予測体験などを加えていくと改善が
スムーズに進んでいきます。
また、催眠体験そのものが意識の低下と筋肉
の弛緩作用が得られるので、
うつ病で普段緊張を強いられている心身への
リラックス効果も与えてくれます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)
の催眠療法
PTSDで苦しんできたクライエントは、
過去に強い恐怖体験をされ、日常的に体験の時に
味わった感情がよみがえります。
他人への不信感や不安感も大きくなりがちなため
に、治療はできる限り慎重に信頼関係を築かせて
いただく事が大切だと思っています。
EMDRが有効と言われています。
EMDRはクライエントの負担が少なく恐怖感情
を緩和してくれる効果があります。
さらに施療中の眼球運動で意識がすぼまり易く、
催眠状態へ入りやすい環境を作ってくれます。
催眠療法は、EMDRで負の感情レベルをある程度
下がった後に、トラウマ体験の場面修正や健康な
身体感覚や自尊感情を取り戻すために提供させて
頂いています。
トラウマ体験がとても強く、思い出すことへの負
担が大きい場合があります。
はじめは、繰り返し見る悪夢の修正や
日常生活で刺激となっている、今現在の要素に焦
点をあてて緩やかに改善していくように十分な配
慮をしています。
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