落ち込むのは正常なプロセス 受容過程
受容過程
今回は【受容過程】についてお話します。
臨床心理の場面で用いる【受容過程】とは、
何かとてもつらい出来事に直面した時、
人はどのような感情のプロセスでそれを受け入れて
いくかを意味しています。
よく知られている一つに「死の受容過程」がありま
す。
余命宣告を受ける、身近な人が最期を迎えようとす
る などの場合、自他の「死」を受け入れていく
”5つのプロセス”があるというものです。
これと同様に、
・大きな自然災害に遭った
・自己破産して全てを失った
・家族が犯罪に巻き込まれた
・交通事故で身体障害がのこった
といった非常につらく衝撃の大きい出来事に対して
も、それを受け入れていく過程があります。
他にも、
・大切な指輪を紛失した！
・電車を逃して遅刻確定だ！
・大事な書類にお茶をこぼした！
なんて日常に起きる小さなハプニングの場面でも、
私たちの心は忙しく受容過程をふむことがありま
す。
この【受容過程】を知っておく最大のメリットは、
「あなたは一生この苦しみを抱くのではない」
「ゆっくりだけど確実に受け入れる時が来る」
ことが分かり、苦しみのその先に、前向きな見通し
が立つことです。
もし、今あなたがとても苦しんでいたり、
身近な誰かが絶望の中にいたりするのなら、
このページが少しだけお役に立てるかもしれません。
まずは知ることから、始めてみませんか。
【受容過程】は、
- 否認 ②怒り ③取引 ④抑うつ ⑤受容
という5つの感情の段階を踏みながら進行すると言
われています。
一つずつ見ていきましょう。
１.「否認」
ショックの大きい出来事を前に、あまりに受け入れ
難いため、
「一晩寝たら、何事もなかったように日常が戻ってい
るだろう」
「何かの間違いだ」と強く思い、事実を認めません。
「何かの間違いであって欲しい」という願望の表れ
でもあります。
２.「怒り」
必死で否認したけれど、何かの間違いではない、
確かに自分の身に起きたことだ、
と思うしかない事実を突きつけられるため、
「なんで私が？」「私が何をしたと言うの？」
「何の報いなの？」など、怒りが湧いてきます。
３.「取引」
怒りはエネルギーを要すため、そう長くは続きま
せん。
次第に、
「神様、どうかお願いします」
「もう絶対に良い子にするから、許して」
「贅沢は言いません、その代わりにこれだけは」
と取引するような思いが溢れ出てきます。
４.「抑うつ」
ここまで否認・怒り・取引をしたけれど、
衝撃的な出来事そのものは変わることなく、
むしろ悪化していくようにも思えてきます。
この段階では、
「どうせ無理だ」
「何一つ希望なんてない」
「もう何をやっても無駄だ」
と、抑うつ状態に陥ります。
自暴自棄にもなりやすい時期です。
ただし、周囲も変化に気づくほど言動がネガティブ
になる場合もあれば、表向きは明るく振る舞いなが
ら必死で抑うつを隠している場合もあるため、
要注意です。
５.「受容」
ここまで進むと、
穏やかに受け入れることができ始めます。
衝撃的な出来事から時間が経過することで、
様々な支援に触れる機会があったり、
同じ苦しみを分かち合う仲間ができたりと、
少しずつ光が差し、希望が見えてくるからです。
受容過程は、実際はかなり様々です。
出来事の大きさによっても、
その人自身の資質や性格によっても、
出来事が起きた直後の周囲の状況によっても、
どのくらいの支援体制がありその情報に触れる
かによっても、他にも様々な要素によって、
大きく変わります。
5つのプロセスを行ったり来たり、
すぐに飛び越えたように見えて戻ったら長く留ま
ったり、いろいろな進み方があります。
それでも共通して言えるのは、
きっと誰もが、“穏やかに受け入れる段階を迎える
”ということです。
そして、その段階まで進むには、
“サポートしてくれる人の存在がとっても大事であ
る”ということです。
銀のすずプレミアムは、
あなたが何かを受け入れていこうとするプロセスに
寄り添い、今のあなたと、これからのあなたをバラ
ンスよく捉え、その時々にちょうどいい距離感で関
わらせていただきます。
必要とされるようでしたら、ご連絡ください。
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