毒親の介護問題~カウンセリング
毒親の介護問題
最近いわゆる毒親が高齢になった時の介護問題の
話題を見聞きしますが、札幌でも 一般的な親の介
護問題とは違う複雑な悩みを抱えて相談に来られ
るクライエントさんがふえているように感じます。
高齢者のお世話をする場合、たいてい家族が最初
に何かをしますが、親子関係がすでに破綻してい
る子供にとっては親の介護は心理的に困難を極め
ます。
優しくまじめな方に多い
元来どのような悩みでもカウンセリングに来られ
る方は、総じて優しい方だったり、まじめな方が
多いものです。
親の介護の問題で相談に来られるクライエントさ
んも、同様にとても優しい方で、幼少期に親から
虐待されていたにもかかわらず、見捨てることが
できずにストレスで苦しんでいる方々です。
同じ環境で育った兄弟姉妹でも、優しい人は最後
まで逃げきれず知らずうちに親の面倒を任せられ
て、兄弟間の不公平感や周りからは理解されない
苦しみに陥ってしまうのでしょう。
憎しみと罪悪感
日本労働組合総連合会の「要介護者を抱える家
族についての実態調査」では、一般の家族介護者
の34.6%が問題行動がある要介護者に「憎しみを
感じる」と回答しました。
虐待された経験を持つ子供が介護者になると、さ
らに憎しみを感じる割合が増えることは予想がで
きます。
子供を虐待する親の背景には、親自身の問題が必
ず隠れています。高齢で認知機能が衰えるとより
その人のクセが露わになりがちです。
賢明な介護の最中に嫌いだった親の口癖や態度を
目の当たりにすると、幼少期に抵抗でずに抑圧さ
れた苦しみが、ふとよみがえり憎しみと怒りで強
く当たってしまいます。
中にはつい暴力をふるってしまうケースも見受け
られますが、同時に今も親に愛されたい気持ちも
あり、罪悪感でそんな自分を責めてしまいます。
このように幼少から続いたこの複雑な心の呪縛か
ら、親のせいで一生涯逃れられないのかと思うと
うんざりとするはずです。
今後の関わり方
心理カウンセリングでは、いまの苦しみを十分に
聞かせて頂き、幼少期のエピソードを振り返りなが
ら、こころの傷を可能な限り修復をします。
その上で今後の関わり方を決めていきます。親との
かかわり方には、必要最低限の関わりや全く関わら
ないという選択支もあります。
家族、夫婦関係、仕事、生活において、今の暮らし
を破綻させかねない状況であるならば、全く関わら
ない決断をした方が最善の場合もあります。
これら親との関りに向き合う心のケアは、過去の清
算をしてこれからの人生を取り戻すために役立つと
思います。
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