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人間関係に大切な両価性

人間関係に影響を与える両価性について説明しています。

 

今回のテーマは、

両価性(りょうかせい)” です。

 

英語ではアンビバレンス(ambivalence)

といいます。

日本語であれ英語であれ、分かるようで

分からないこの言葉・・・

心理学の世界で用いる際にも、

語り始めると日が暮れて夜が明けて、

何日もかかることでしょう。

 

そこで今回は、心理学の中でも臨床心理、

かつ、カウンセリング場面やあなたの日常

にもある身近な “両価性” をお話しします。

 

※「かなり興味がある!本格的に知りたい!」

という方は、精神分析に関する分厚い書物を

読んでみられると良いかもしれません。

 

 

両価性とは、この漢字の通り、

「両価性」は一般的に感情や態度の対照的

な要素を持つ状態を指す言葉です。

“両方の価値がある”ことを意味します。

相反する2つの価値が存在する、

ということです。

 

「両価性」について一般的には3つあります。

1. 感情の両価性

人はしばしば相反する感情を抱くことがあり

ます。たとえば、好きでも嫌いでもある人や

物事に対して、同時に愛憎の感情を抱くこと

があります。

2. 態度の両価性

態度もまた両価性を示すことがあります。

特定の問題や対象について、相反する態度を

持つことがあります。たとえば、ある問題に

ついて賛成と反対の意見を同時に抱くことが

あります。

3. 行動の両価性

人は時に、相反する行動をとることがあります

。たとえば、ある行動を望みつつも、それに反

する行動をとってしまう場合があります。

 

両価性は、あって当然のものですが、

そのせいで悩みが生まれる場合もあります。

 

あなたも、

「〇〇だけど△△」

「〇〇なのに△△」

という感覚になったことはありませんか?

 

例えば、

「ダイエット中なのに、食べたい!」

「一人ぼっちで孤独だけど、人と関わるのも怖い」

「お母さんは優しいけど、怖いところもある」

「大好きだけど、大嫌い」・・・などなど。

 

両価性に対して、

【受入れられないとき】

【激しく揺れ動くとき】

人は苦悩します。

 

 

親からの言葉で傷つく

 

 

両価性が受入れられず人間関係で苦悩する

Aさんの例をみてみましょう。

 

 

Aさん

子どもの頃からずっとお母さんのことが大好き

で、いつも何でもお母さんに相談しています。

 

学校でずっと仲良しだった子から、気まぐれに

無視されて困った時にも、

「あなたは悪くないわ。そういう子と無理をして

仲良くしようとしなくてもいいんじゃないかしら」

と答えてくれる。いつでもAさんの味方をしてくれ

る優しいお母さんです。

 

そんなある日のこと、

Aさんが帰宅するとママ友との会話が聞こえてきま

した。お母さんは声をひそめて

「うちのAったら、友達から避けられているみた

い。きっとあの子にも嫌われる理由があると思う

のよ。恥ずかしいわ。」と言っているではありま

せんか・・。

 

このお母さんのセリフに、

Aさんは衝撃を受けました。

Aさんの知っている“優しいお母さん”ではなく、

まるで、“我が子を呪う悪魔”のように思えたのです。

 

次第にAさんは、親からも他人からも忌み嫌われる

存在ではないかと、思うようになり、人間関係のつ

まづきからカウンセリングに訪れました。

 

Aさんの不調は、

友達や母親に対する両価性を受入れられなかった

ためだと考えられます。

Aさんは、“お母さん=娘思いの優しい存在”

という一面しか見てこなかったのです。

だから友達や母親からのネガティブな言動をとて

も信じられず、受入ることができなかったのです。

 

良い面もあれば、そうでない面もある。

どちらかが嘘なのではなく、どちらも本当で、

その両方があるのが普通なのだ。

 

・・・ということに、いつの日か気づき受入れるこ

とができたら、Aさんは母親とほどよい距離を保ち、

自立していくことも叶うでしょう。

 

 

愛情と憎しみの両価性について説明しています

 

 

ある一面しか捉えていなかったために、

それに相反する自分の感情に気づいた時、

激しく揺れたことが分かります。

 

どちらかを否定しようとすればするほど、

否定した感情がむくむくと溢れ出てきたり、

気持ちの整理がつかずどんどん混乱したり。

 

特に、母親に対し子供は、

本能や道徳的に愛情を求めます。

愛情が十分にもらえない母親には

憎しみが生まれます。

 

母親に対して抱くネガティブな思いも、

それに相反するポジティブな思いも、

両方あって良いのです。

 

どちらか一方だけを重視していると、

もう一方が現れたときに激しく揺れるものですが、

どちらも否定せず、両方の気持ちを大事にして良

いのです。

 

このような例からも分かるように、

両価性は愛憎感情と言われることもあります。

 

 

あなたは、誰か/何かに対して、

ある一面だけを過度に捉えていませんか。

過度に期待したり、過度に卑下したり、

ある一面のみに集中することはバランスが良く

ありません。

 

そして、

それに相反する面に気づいた時、

怖い・不安・悲しい・そんなはずはない

など心が拒絶反応を示しませんでしたか。

 

 

“いいところもあれば、そうでないところもある”

“すごく嫌いなところもあるけど、すごく好きなと

ころもある”

 

両価性があるのは、あたり前のことです。

むしろ、感情の両価性を認めて受け入れることで

自分自身や他者をより深く理解することができた

り、感情の両価性を抱くこと自分の気持ちや考え

方を柔軟に変えることもできます。

それでも受け入れがたいこともあるでしょう。

 

銀のすずpremiumは、

揺れ動く心を持ったあなたが、

その揺らぎを楽しめるようになるまで

ゆっくりお供します。

あなたも“両価性を受け入れる旅”を始めて

みませんか。

 

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