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家族療法について

生きずらさ、虐待、不登校、引きこもり、アダルトチルドレンなど個人の問題が家族関係に強く影響されている場合、その家族の中でのあり方を観察することで解決の糸口が見えてくることもあります。その家族全体に焦点を当てた心理療法を家族療法と呼びます。

家族療法では家族に特定の個人が悩みを抱えているときに、その家族に不健全さや歪みがしわ寄せとしてその人の問題として表れているという捉え方をします。

家族は誰もが人生の基盤となる価値観やコミュニケーションを学ぶ最初の場であり、情緒を安定させる機能や社会や個人にたいする様々な機能があるとされています。

現在はさまざまな研究が行われその主流となっている「家族システム論」についてご紹介いたします。

 

〈家族システム論〉

 

家族システム論とは、家族を一つの大きな生きものとして捉えて、それは生きて成長し変化し続ける個々の家族メンバーによって構成されていると考えます。人間の体そのものが家族で、構成している細胞や臓器が個人となります。

 

〈家族ホメオスタシス〉

 

家族が一つの生きものである以上、一定の状態に保とうとするホメオスタシス(恒常性機能)が存在すると考えられます。

たとえば、権威的な父親が母親と子どもを叱りつづける家庭の中で、子どもが不登校の問題を抱えたとします。夫婦は子供の不登校問題について解決しようと協力しあいます。その間夫婦の問題は一旦収束をしますが、子供の不登校が解消すると今度は母親がうつ病になる等新たな問題が家族内で発生するということがあります。

この場合、個人が持つ病理によって問題が起きるというより、むしろ家族の中に不適応者の存在を無意識に必要としているために発生すると考えられます。

このような家族間の「歪み」を見つけ出し、協力可能な家族でこの歪みを少なくするようカウンセリングを重ねて支援します。家族全体の問題として取り組んでいくプロセスで、個々が抱える問題が解消されることがあるのです。

 

〈家族の成長と変化〉

 

家族がホメオスタシスによって一定に保とうとする一方で、時間の経過と家族メンバーの成長・変化などの下記の家族の発達段階にあわせて柔軟に変化することが求められます。

これらの変化に対応できずに柔軟性が失われたり、家族が必要な働きを果たせる状態にない家族を機能不全家族といいます。

 

第一段階 親元を離れて独立して生活しているが未婚の時期。

・自分を出生家族から分離することを親子共に受容すること。

・親密な仲間関係の発達。(親よりも友人に相談する)

・仕事面での自己確立をすること。

第二段階 結婚による両家庭への仲間入り。新婚夫婦の時期

・夫婦の仕組みつくり。

・親の家族と友人との関係を再編成する。

第三段階 幼児を育てる時期。

・子供を含めるように、夫婦の仕組みを調整する。

・親としての新しい役割を得ること。

・父母、祖父母の役割を含めて、親の家族との関係を再編成すること。

第四段階 青年期の子どもを持つ家族の時期

・子供の独立をすすめて家族の境界を柔軟にすること。

・青年期の子どもが家族を自由に行き来できるように親子関係を変えること。

・夫婦の関係、仕事の達成に再び焦点を当てること。

・老後への関心を持つこと。

第五段階 子どもの独立と移行が起こる時期

・親子関係を大人同士の関係に発達させること。

・夫婦関係の再編成。

・親の老化・兄弟・孫を含めた関係の再編成。

第六段階 老年期の家族

・夫婦の機能を維持して新し家族、社会的な役割を選択すること。

・経験者として若い世代を支援するが、過剰に介入をしない。

・世代的な変化を受容すること。

 

出典 「家族心理学講義」岡堂哲雄 金子書房より

 

このような家族が機能するための成長と変化について知ることはとても大切です。

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