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“空気を読む” という感覚

HSPなど過度に空気を読みすぎて疲れてしまうと

いう方は多いと思います。

 

そこで今回は心理学用語【社会的参照】をご紹介。

 

心理学キーワード辞典には下記のように説明されて

いる言葉です。

 

 

社会的参照(social referencing)

 

・・「他者への問い合わせ」ともいう。

乳児期における情動的やりとりは、情報としての

価値を持っており、1歳前後では行動決定に迷う

ような曖昧な状況では、大人の表情を手掛かりに

して承認を求めた上で行動化する、ということ。

自我発達の初期において、そのような周囲の大人

は一般化された他者と区別され、重要な他者

(意味ある他者)と呼ばれる。

 

 

少し噛み砕いて解説します。

 

社会的参照とは、

・生まれてから1歳になる頃に獲得され始めるもの

・困った時に、特別な他者(多くの場合が親、養育

 者)の表情を見る

・その表情の意味を読み取り、自分がどう行動すべ

 きかを判断するというものです。

 

※社会的参照の例として「視覚的断崖」という実験

が有名です。

ご興味ある方は、you tube など動画で見ていただく

とわかりやすいかと思います。

 

つまり、身近な他者の表情を見て自分のおかれた

状況を判断し行動する力は、まだ歩くのもたどたど

しい赤ちゃんの頃から確認される、という結構すご

い話です。

 

 

ここで重要なのが、不特定多数の他者の表情から判

断するのではなく、身近な信頼のおける他者の様子

を見て(=社会的に参照して)判断するという点です。

 

社会的参照という力は、本能的な危険回避の能力で

あるとも言えます。

 

安全か危険かよく分からないままに突き進むのでは

なく、安全であるかどうか分かる人、かつ、信頼で

きる人 に聞いて確かめてから決断するというメカニ

ズムは、私たちが安心安全に生きる上で必要なこと

です。

 

このように、社会的参照は元来、危機回避・安全獲

得のための仕組みです。

 

しかし、成長と共にこれは少し形を変えていきます。

いわゆる “空気を読む” という感覚のものになってい

くのです。

 

 

人は誰しも、多かれ少なかれ、

 

その場の空気を読んで自分の言動を選択しているでし

ょう。

 

例えば、

・近くの人が苛立った様子だと、刺激しないよう静か

 に過ごす

・全然面白くないけれど、皆が笑っているから合わ

 せて笑っておく

・職場のピリピリした雰囲気を和ませたくて、ちょっ

 とおどけてみる など・・・

 

周囲の非言語的な情報(言葉以外の情報)を読み取

り、それに応じて、もしくはあえてひるがえすよう

に、自分の言動を選択しているというものです。

 

成長と共に、“重要な他者”は親・養育者以外にど

んどん増えます。学校なら、先生やクラスメイト。

職場なら、お客様や同僚・上司など。

 

自分にとっての“重要な他者”は場面ごとに変わり、

その都度、その場での重要な他者から発せられる

情報を読み取る必要があります。

 

このようにして、乳児期の社会的参照は“空気を読む”

という能力へと発展します。

 

先にもお話ししたように、

社会的参照は、本来は危険回避・安全獲得の仕組みで

すが、成長と共に、精神的な不調を招くきっかけにな

ることがあります。

 

相手によっては、または、状況・気分によっては、

過度に空気を読んでしまう・・・

なんとなく当てはまる方もいらっしゃるのではな

いでしょうか。

 

過度に社会的参照をしていると、

・対人場面でかなり緊張する

・人の顔色が気になって仕方ない

・人とコミュニケーションをとるのが憂鬱

・他者への充分な確認なく物事を決められない

・自分の希望より周りの期待に応えることが優先

 になるといった状態になる場合があります。

 

そして、

・自信を持てない

・人に依存的になる

・精神的な不調を来す

などを招く可能性もあります。

 

それでは、

空気を読みすぎてしまって疲れる・・・

空気を読んでばかりで本来の自分を見失った・・

という場合、どうしたら良いでしょうか。

 

ここでもう一度、社会的参照の基本に戻ります。

社会的参照はもともと、あなたに安心感をもたらす

ための仕組みでしたね。

 

 

「これ、大丈夫かな?」と不安な時、

そばにいるお母さんが「うん、大丈夫だよ」という

優しい顔をしていたら、あなたはほっとします。

 

「これ、大丈夫かな?」と不安な時、

そばにいるお母さんが「だめ、やめなさい!」と険

しい顔をしていたら、あなたは立ち止まって、危険

な目に遭うことを回避できます。

 

大人になったら、一つ一つを確認していられないで

すね。「これ、大丈夫かな?」と不安な時そばに誰

もいない、ということもありますね。

(大人って、なかなか大変ですよね・・・!)

 

 

こんな時に、

自分で「私は大丈夫!」と思えたら、

自分で「私の判断に間違いはない」と信じられた

ら、どんなに楽でしょうか。

 

自分で自分自身に対する安心感を持てたら、

過度な社会的参照をして他者から安心感を得よう

とする必要がなくなるというわけです。

 

 

・・・そんなこと言われても、

自信がないものはない!

 

と思われる方も、大丈夫。

 

銀のすずpremiumは、

あなたがあなた自身を信じられるようになるまで、

ゆっくりお手伝いします。

 

 

社会的参照を全くしない人はいません。

皆、ほとんど無自覚のうちに社会的参照をしながら

生活しています。でも、それが過度であると、精神

的にとてもしんどいです。

 

まずはそのしんどさを和らげ、自分に対する安心感

を掴みにいってみませんか。

 

〈関連ページ〉

対人緊張 社会不安(社交不安)障害 

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