私はHSPでしょうか?
私たちは心の奥底に、さまざまな感情を秘めてい
ます。自分の感情に敏感であることは、人間らし
さの証であり、決して悪いことではありません。
しかし、近年HSP(高感受性者)という言葉が
話題になっています。HSP気質を持つ人は、周
囲の刺激に対して他の人よりも敏感に反応する
と言われています。
自分がHSP気質だと思い込んでしまうと、
不安やストレスを感じることもあるでしょう。
ここでは、論理的な根拠をもとに、自分が稀
なHSP気質だと思い込まないようにするため
のヒントをお伝えします。
HSP気質とセロトニントランスポーター遺伝子
の関係性は、セロトニンというホルモンをうま
く稼働させる遺伝子の少ないパターン(SS型)
を持っていることが多いということです。
セロトニントランスポーター遺伝子とは、
神経伝達物質であるセロトニンの伝達に関係す
る遺伝子で、この遺伝子型の割合は国や民族に
よって異なります。
例えば、日本人とアメリカ人のセロトニントラ
ンスポーター遺伝子の型は、大きく違っています。
ペーター・レッシュ(Peter Lesch)が1996年に
ヴュルツブルク大学精神医学部で行った研究によ
ると、日本人のほとんどはSS型で、アメリカ人の
ほとんどはLL型だそうです。
遺伝子の型 日本 アメリカ
SS 68.2% 18.8%
SL 30.1% 48.9%
LL 1.7 % 32.3%
※セロトニントランスポーター遺伝子には、
SS、SL、LLと3つのタイプがあります。
SS型はネガティブな感情に弱く、
LL型はポジティブな感情に強い。
SL型は中間的な性格を持つ。
HSP気質という概念が日本に広がったのは、
日本人の多くに当てはまる事から、とある
人物がビジネスになるという観点でアメリ
カの書籍を翻訳した経緯が見え隠れしてい
る様に感じています。
セロトニンは、心の安定に必要な物質です。
でも、心の特性は、遺伝子だけで決まるわ
けではありません。環境や生活習慣も大き
く影響します。
不安を感じることは、誰にでもあることです。
私たちは、遺伝子や気質に縛られて生きてい
るわけではありません。
自分は、自分自身であり、変わることができます。
もし、他人に敏感過ぎて生きずらさを感じている
なら、カウンセリングを利用することがおすすめ
です。
〈出典〉
(1) セロトニントランスポーター遺伝子 – Wikipedia.
(2) 日本人の自己肯定感が低い理由の一つは「遺伝子」が関係し
(3) 恐怖遺伝子と呼ばれるセロトニントランスポーター遺伝子
(4) 統合失調症や双極性障害の男性患者ではセロトニン関連遺伝子
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