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性的な問題行動(盗撮 痴漢行為)のカウンセリング

今回は、性的な問題行動(性暴力・性加害行為)について

臨床心理学的観点からお話しします。

 

今回は下記のような状況の方に特にご一読いただきたい内容です。

・性的な問題行動をしてしまったことのある方

・家族や友人など身近な人が性加害者になってしまった方

・“性”に関する話題にためらいがあり誰にも相談できずにいる方

 

性的な被害経験のある方にとっては、心がザワザワする内容かもしれません。

ご無理をなさいませんよう、

ちょっとむりそうだなと思われたら、静かに閉じてくださいね。

 

 

<ここでいう性的な問題行動とは>

 

性的な問題行動について、“性犯罪”と記載することにします。

“性犯罪”の中でも、今回は主に“痴漢”と“盗撮”に関してお話しします。

性犯罪は他にも下着窃盗、露出、のぞき、強制わいせつ、強姦、児童ポルノなどあります。

厳密な定義のもとでお話しすると、とてもこのページでは語り尽くせません。

 

ここでは、

電車内などで相手の同意なく身体を触る“痴漢”

相手の同意なくスマホでスカート内を撮影する“盗撮”

を主な対象として話を続けます。

(ありとあらゆる場面での痴漢や盗撮の相談を受けていますが、

代表例として上記を挙げました。)

 

 

<性犯罪に関するよくある誤解>

 

痴漢・盗撮をしてしまった本人・その家族からの相談の中で、

よくある誤解を3点紹介します。

 

1、今後は性欲を満たせば良い

2、ちょっと魔が差したに過ぎない

3、かなり反省しているからもう大丈夫

 

この3点は、全て大きな間違いです。

一つずつ説明します。

 

1、今後は性欲を満たせば良い

 

性犯罪は“性”に関する犯罪行為であるため、

動機は「ムラムラしたから」

再犯を防ぐには「性欲を満たすこと」

と勘違いされがちです。

 

確かに、性的な欲求により行為に至ったと言える部分もありますが、

実際は、ほとんど全ての性犯罪者が「ムラムラだけでは説明がつかない」と言います。

中には「イライラしたから」「ストレス発散のために」と言う人もいれば、

「達成感が得られるから」「スリル感が心地よいから」「好奇心旺盛だから」

など説明する人もいます。

 

仮に、イライラしたから性犯罪に至った場合、

性的欲求を満たしても、イライラした気持ちの根本解決にはなりません。

性犯罪をすることで大きな達成感を抱いてきた人には、

今後、性犯罪以外の方法で達成感を得られるように考えなければなりません。

 

性犯罪=性欲を満たせば再犯はない、と安易に捉えることは危険です。

「性犯罪をすることで私は何を得ていたのか」

「性犯罪をすることは私にどのようなメリットをもたらしていたのか」

(例えば、憂鬱なことを一瞬忘れられる、なんだか自信がみなぎってくる、など)

を立ち止まってじっくり振り返ることが大切です。

 

2、ちょっと魔が差したに過ぎない

 

性犯罪の中でも痴漢・盗撮に関しては、

犯行発覚の初期は不起訴・罰金刑等の比較的軽い処分で終わることが多く、

“喉元過ぎれば熱さ忘れる”ということがよく起こります。

つまり、性犯罪が初めて発覚し、警察で取り調べを受けたり、

弁護士に相談したり、家族や職場に迷惑をかけたり・・・

と自分自身のことでいっぱいいっぱいの激動の数日を乗り越えると、

「これからどうなることかと思ったけど、不起訴で済んだ」

「示談に応じてもらえたし、とりあえず司法手続きは完了だ」

など本人も周囲も胸を撫で下ろします。

 

そして、

「あの時のことは、ちょっと魔が差したに過ぎなかった」と思おうとします。

そう思っておく方が、楽だからです。

重大な犯罪をしたと心底認めるのは、とても恐怖感があることです。

ちょっと軽く考えた方が、気持ちの切り替えができるような気がするからです。

 

でも、性犯罪を軽く捉えようとすることは、とても危険です。

 

あなたはお店に行って“ちょっと魔が差して”万引きをしたことがあるでしょうか。

ほとんどの方が、「そんなこと、あるわけない!」と答えるでしょう。

同じように、もし「あの女性、素敵だな〜」と思ったとしても、

だから痴漢や盗撮という行為に至るのは、魔が差した程度の話ではないのです。

明らかに超えてはならない一線を容易に超えた、という大きな問題があります。

 

ことの重大性に向き合うのは、とってもしんどいものです。

だからこそカウンセラーがいます。

軽く捉えて楽になろうとせず、きちんと向き合って、

再犯を防ぐための取り組みをする必要があります。

 

3、かなり反省しているからもう大丈夫

 

これは再犯の可能性に関する誤解です。

痴漢や盗撮の発覚初期は不起訴・罰金など比較的軽い処分で終わった方も、

行為がエスカレートしていたり余罪が多数あるなどして、

長期間の勾留や裁判を経験することもあります。

場合によっては、離婚や失職などすべてを失うだけでなく、

パートナーや子供の人生に深い傷を残すことももあります。

 

「こんなに絶望したのは初めてで、本当にもう懲りたから、再犯するはずがない」

「ここまで全てを失ったら、さすがにもう再犯することはないでしょう」

と思いきや、です。

性犯罪は再犯率が非常に高いことが知られています。

 

なぜなら、性犯罪行為は習慣化しやすく、癖づいてしまっていることが多いからです。

 

「電車に乗ったら痴漢せずにはいられない」

「満員電車に乗り込む前にそれとなく触りやすそうな人を探してしまう」

「エスカレーターに乗る時はほとんど無意識的にスマホを構えている」などです。

例えるなら“鈴がなると餌がもらえることを覚えた犬”のように、

「電車=痴漢」「エスカレータ=盗撮」など状況と行為が強く結びついてしまうのです。

 

この結びつきが強くなっている場合、

「かなり反省した」ことが嘘ではなくても、

その反省を飛び越えて、再度の行為に至る可能性が非常に高いと言えます。

 

「かなり反省したからもう再犯するはずがない」ではなく、

「AとBとCという再犯防止策を講じて再犯可能性を下げている」と言えるように、

具体性のある現実的な取り組みをすることが重要です。

 

 

<では、どうすれば良いのか>

 

性犯罪は性的欲求を満たすだけでは防ぐことができない

軽く考えようとする姿勢は再犯可能性の面でとても危険である

漠然とした反省のみでは不足であり具体的な取り組みが必要である

 

など厳しい言葉を並べ立ててしまいました・・・

 

悩んでいる方がこれからどうすべきか、

それは、専門的な第三者を頼ることです。

 

自分一人で考えても、思いつくことには限りがあります。

家族だけで取り組もうとすると、ほぼ確実に不和が生じます。

この問題に向き合っていくには、支えとなる存在が必要なのです。

適切な第三者に相談し、冷静かつ専門的な視点を入れることが

今後の再犯を防ぎ、安心して暮らしていくために不可欠です。

 

 

 

<カウンセリングの初期に取り組む事柄の一部を紹介します。>

 

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・生育歴、生活歴、関係性歴、性発達歴、既往歴など

(人生において犯行の引き金となった事柄を見つけます)

・これまでどのように性的欲求を満たしてきたか

(性的逸脱の深刻度や定着度が分かります)

・犯行前後どのような思考と感情があったか

(リスク因と犯行で得ていたものが分かります)

・犯行をせずにいられた時期は何があったからか

(再犯防止のヒントが分かります)

======

 

上記はごく一部ですが、これらを一人で取り組めるでしょうか。

家族に面と向かってこの話題を包み隠さず話せるでしょうか。

・・・なかなか難しいものですよね。

もし、「できる」とおっしゃる方は、おそらく大きく歪んだまま進み、

残念ながら本当の意味ある再犯防止にはなっていないでしょう。

 

カウンセリングは、ただ「反省」を促す場ではありません。

目指すのは「内省」です。真に自分に向き合いことです。

 

特に

「本当に反省しています。もう絶対に、再犯するはずがありません。」

と言う方に、

“もう絶対に再犯しない根拠は何だろうか?”

と問うと、

「・・・根拠は、ないのですが…」と下を向くことがあります。

 

“根拠なく再犯するはずないなんて言うな!”と咎めているのではなく、

再犯しないと言える根拠は意外と少ないことに気づいて欲しいのです。

「反省」「我慢」など精神論では太刀打ちできないことに気づき、

適切な専門家を頼って時間をかけて取り組む必要があることを自覚して欲しいのです。

 

今回は少々厳しい話をしてしまったような気がします。

でも、それだけこちらも真剣に、

あなたと共に取り組みたいという思いを持っているからこそです。

 

まずは安心してご相談ください。

札幌ストレスカウンセリング銀のすずpremiumがお役に立てたらと切に願っています。