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対人関係療法とは

対人関係療法のイメージ対人関係療法とは

 

こちらのカウンセリングルームでは、人間関係で悩んでいらっしゃる方が多くいらっしゃいます。

そこで今回は、「対人関係療法」をご紹介します。

 

◆あなたの悩みの解決のヒントは…

 

対人関係療法とは、名前の通り、“対人関係”に注目した心理療法です。

私たちは日常の中にいろいろな“対人関係”を持ち、そこに身をおいています。

 

・自分以外の誰かとどのように関わっているか(仲よし?ちょっとイヤな感じ?etc…)

・自分以外の誰かの存在をどのように捉えているか(心地いい?うっとうしい?etc…)

これらを振り返るとき、頭にポワワ〜ンと浮かぶのが、“対人関係”です。

 

対人関係療法ではこの“対人関係”に注目するわけですが、とっておきのポイントがあります。

それは、

「あなたの悩みの原因は、対人関係にある」

ではなく、

「あなたの悩みの解決へのヒントは、対人関係にある」

というものです。

 

・・・うーん、ちょっと、むずかしいですね。

 

◆心のダメージは誰にでもあるけれど

 

「あなたの悩みの解決へのヒントは、対人関係にある」

ということを、なるほどね〜と分かっていただけるよう、AさんとBさんの例から説明していきます。

 

  • * * * * * * *

 

[泣けないAさん]

Aさんは、大好きな彼氏にフラれ、失恋をしてしまいました。

とっても大きなショックを受けました。

Aさんは、家族とは元々関係が薄く、彼氏がいることはもちろん内緒にしていました。だから、失恋したことも言えません。家ではどうにか普通でいようと頑張りました。本当は大泣きしたかった。でも泣くこともできない状況でした。次第に自室にこもるようになり、学校にも行けなくなってしまいました。

 

[泣けるBさん]

Bさんは、大好きな彼氏にフラれ、失恋をしてしまいました。

とっても大きなショックを受けました。

Bさんは、家に帰ると家族の前で大泣きをしながら、「フラれた」と話しました。家族がなぐさめてくれるうちに、悲しいばかりでなく、楽しい思い出もたくさんあったと気づきました。次第に、Bさんは何か他に夢中になれることを見つけようと、仲間とよく出かけるようになりました。Bさんは彼との楽しかった思い出を大切にしながら、また新たな楽しみも見つけることができました。

 

  • * * * * * * *

 

AさんとBさん、どちらも「失恋」というショックな出来事にあっていますね。

それでも、ふたりのその後の回復に違いがあるのは、

・自分の素直な気持ちを話せる家族がいたか

・楽しい時間を一緒に過ごせる友だちがいたか

など、各々を取り巻く“対人関係”に違いがあるからです。

 

つまり、心がダメージを受けた原因は「失恋」である点は共通ですが、

その後いかに傷が癒えるか、いかに問題が解決していくかは、「どのように人と関わることができたか」によるということです。

 

私たちは皆、生きていれば心がダメージを受けることはあります。でも、そんな時に対人関係が安定している・良好である場合、心がまた元気になる力をもらうことができるのです。

 

◆対人関係を見直すと自分も周りも楽になる

 

泣けないAさんや家族、友だちが悪いわけでもありません。

でも、Aさんにとって身近な家族ともっとありのままの気持ちを話しやすい関わり合いをしてきていれば、もっと楽だったのかもしれません。

 

“対人関係”は、一人では成り立ちません。誰か一人だけのせいで悪くなったり良くなったりするものでもありません。自分と、他の誰かが一緒にいてこそ、お互いが影響しあってこそ、“対人関係”は変化するのです。

 

 

◆特に重要な人はだれ?

 

私たちはいつも様々な対人関係の中に身をおいています。

その中でも特に重要な人は、誰でしょうか。

“重要”は、“大切”、“大事”と少し似ているようで似ていない場合もあります。

対人関係療法は、関係そのものがあなたに最も近く、人生の中で極めて重要な役割にある人との現在の関係を重要な人として扱います。

 

パートナーにゾッコンの場合、

“大切”、“大事”であることはもちろん、パートナーがもし事故にあったらどうしようと不安で仕方ない、自分の生活の多くを彼女に注いでいるなどであれば、“重要”な存在であると言えます。

 

母親のことがあまり好きではない場合、

“大切”という感覚は抱きにくいけれど、母親の言動で自分は大きく影響を受けるのであれば、“重要”な存在であると言えます。何か心がダメージを受けた時、その“重要な人”との関わり方を振り返ります。

対人関係療法は、対人関係の重要度を1番「家族・恋人。親友」、2番「友人・親戚」、3番「仕事上の人間関係」の3段階に分けて、精神的に傷ついた時こそ1番の重要な人との関係を手抜きせず大切にします。そして優先順位が逆転していないかを見直すことから回復へのヒントを見出したり、その“重要な人”との関わりをより良くします。

 

 

◆短期間で、効果は長い

対人関係療法のカウンセリングでは、まずは状況をお聞かせいただき、そして、回復への作戦を立てます。この作戦のおかげで、他の心理療法に比べて短期間で回復が期待できると言われています。さらに、誰もが日常的に身をおく“対人関係”について取り組むため、その効果は今後の対人関係にも応用できます。

 

今回は、人との関わりに注目する「対人関係療法」をご紹介しました。

どのようなお悩みの場合も、あなたがあなた以外の誰かと関わっていることは確かです。そこからヒントを得て、心の元気を取り戻していきませんか。

 

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