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心の不調~コロナうつ~

 

こんにちは。札幌ストレスカウンセリング銀のすずPremiumです。新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛要請の長期化で、ストレスを感じている方も多いのではないでしょうか?

 

新型コロナウイルスは、身体だけでなく、私たちの心にもさまざまな不調を引き起こすものです。今回は、最近ニュースでもよく耳にする「コロナうつ」をテーマに、役立つ情報をお届けします。

 

そもそも「うつ」って?

「うつ」とは、気分障害の一種で、意欲の低下や落ち込み、不眠・食欲不振などを特徴とするこころの病気です。

「やる気がおきない」「なんとなく気分が沈む」といった状態は、誰しも一度は経験したことがあると思います。こうした一時的な気分の波は、健康な人にも起こる一般的なことで、うつではありません。うつによる気分の落ち込みと、一般的な気分の落ち込みを見分けるコツは、「それによって日常生活に支障をきたしているかどうか」と考えるとわかりやすいと思います。例えば、食事や起床、人との会話といった日常の何気ない動作にも苦痛やおっくうさを感じたら要注意です。精神科で用いられる精神疾患の診断ガイドには、「言葉では表現しようがないほどつらい沈んだ気分または興味・喜びの喪失が、ほとんど1日中ほぼ毎日2週間以上続き、仕事や日常生活の困りごとがでてきてしまう」状態と記されています。

 

新型コロナうつとは?

「コロナうつ」という言葉とともに、コロナがもたらす心の健康被害にも注目が集まるようになりました。

「コロナうつ」とは、新型コロナウイルスによる心の不調が増えてきたことを受けてメディアによって造られた言葉です。もともとは、コロナへの不安を訴えて精神科を受診する人が増えたことを表した言葉でしたが、現在では「コロナをきっかけにうつに類似した症状が出ている状態」といった幅広い意味で使われることが多いようです。

「コロナうつ」は、精神科診断のくくりで見ると、反応性の抑うつと捉えることが出来ます。反応性の抑うつは、外的なストレス因がきっかけで起こるうつ症状で、症状は比較的軽く、広範囲(同様の状況下の多くの人)に見られることが特徴です。ストレス因となる状況が改善されると、症状も好転しやすいことも言われています。


コロナ自粛要請から心理的な影響を受けているクライエントと自分の心の声から下記に色々とまとめてみました。

 

不要不急からの無価値感 

 

「不要不急の外出は自粛してください。」馴染んだ言葉となりました。

業種によって減収、労働時間の短縮、休暇日数の増えた方も多いですね。

この状況が続くと、重荷と思っていた仕事が世の中にはあってもなくても良かったのか、実は私そんなに必要はなかった?自身の存在、仕事の軽さに無価値観、疎外感を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

無価値観は 代表的なうつ症状の一つです。コロナウイルスによる状況の変化が原因で大事にしていたものを失った気分がトリガーとなって、自分を小さく見積もってしまう妄想といえます。精神医学では微小妄想と呼ばれています。

考えればカウンセラーという職業も含め、最低限生きるには衣食住以外は不要な仕事ばかりなのですが・・これは妄想に違いないと言い聞かせましょう。

 

することが無くて、燃え尽き症候群

 

忙しい毎日を過ごしていた時は、「もし欧米のように長く休めたらアレもコレもできるのになー」ごろごろーと空想していたのに予想外に長い休みが現実になると、お店も開いてないし、本当にしたいことがないと心にぽっかりと穴が空いて何もしたくなくなっている…。

強度のストレスがかかる仕事や、過度の緊張とストレスがかかる環境にいた場合や、

努力の結果 目標を達成したあとに生じる落ち込んでやる気が出ない状態を燃え尽き症候群(バーンアウト)といいます。

 

こういう時は無理にしたいことを見つけようとする必要はありません。
ぼんやりと数年後の夢を空想してみる、疎遠だった友人に連絡してみる(暇なはず)、一日中瞑想して自分を顧みる(かなり辛いです)、美味しいと思うものだけ食べる、あらゆる情報を一日遮断してみるなど、自分が普段しそうにない静かな時間を過ごすおそらく二度とない機会ですね。

 

なんだか不安だな~、大量飲酒

 

何かと不安になりがちな脳内ではセロトニン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質が少なくなり、理由を付けて手っ取り早く快楽を得ようとついお酒で紛らわす私や他の方もいらっしゃいます。。

酒類販売メーカーによると、家庭用の売り上げが約8%増加、特にアルコール度数が高いお酒が売れているらしいです。飲食店の閉鎖とストレスによる家庭内飲酒が増えてきたと分析しているようです。またYHOOのみんなのアンケートでは、約34%の人がコロナ前と比べて飲酒量が増えたと回答しています。

以前と比べて飲酒量と飲み始める時間が早くなったら注意しましょう。

 

適量を超えるアルコール摂取は習慣飲酒、依存につながります。元の状態に戻すための新たなストレス要因になりますし、毎日続くと家庭内の雰囲気も何かと悪くなってませんか?

飲酒量をセルフチェックして可視化しましょう。居間のカレンダーに飲酒量を「多」、「普通」、「小」「無」と赤ペンで記入しておくと家族と共に飲酒量をコントロールすることができます。

 


コロナうつかも?と思ったら

現在は世界規模で災害レベルのストレス生活が続いている状況です。どんな心の不調が生じてもおかしくありません。また、同様の状況でもストレスの感じ方、反応の出かたには大きな個人差があるもの。心も身体も「なにかおかしいな?」と思ったら、無理せず休ませることが大切です。

 

それでもいっこうに改善しない気分の落ち込みや意欲の低下は「コロナうつ」の可能性があります。当院のホームページにも抑うつ状態の重症度を測るテストを掲載していますのでご活用ください。

 

【コロナうつチェック】

https://www.ginsuzu.jp/archives/3053

 

うつは、専門家の支援がないと改善が難しいと言われています。自分なりにあれこれ試してもエネルギーを消費するばかりで回復せず、焦りや自己嫌悪の悪循環におちいりかねません。「コロナうつかも?」と思ったら、一人で悩まず、まずは一度ご相談ください。一緒に楽になる方法を探していきましょう。


カウンセリングでできること

最後に、コロナうつに対して、カウンセリングでできることを少しだけご紹介します。

カウンセリングでは、どのような心の不調に対しても、「見立て」という作業を行います。「見立て」とは、相談者さんのお話を丁寧に聴きながら、その問題がどのようにして生じているか、どのようにアプローチすれば効果的か専門的な視点で考察することです。

例えば、コロナうつと一口で言っても、問題の背景には様々な要因が考えられます。「コロナにかかってしまうのではないかという不安」「家庭内で思うようにストレスが発散できない状態」「家族や友人に会えない環境」「外出の自粛で密になった家族関係」などなど。たくさんの要因が考えられるでしょう。

「コロナにかかるかも」、「うつしてしまうかも」といった「不安」は、このご時世もっともなものですが、それによって生活がままならないほど困っているのであれば、認知行動療法という技法を用いて「考え方」にアプローチしていくのが解決のカギかもしれません。実際に起きてはいないことを不安に思ってしまうのは、心理学の世界では「予期不安」と呼ばれる、考え方のくせのひとつです。

外出自粛で上手くストレス発散が出来ないという、現実的な問題がネックなのであれば、家庭でできる具体的なストレスマネジメントを一緒に考えていくことが大切になりそうです。

あるいは、コロナ禍という特殊な環境の中で、もともとあった家族関係の問題が顕在化してきた、ということも考えられます。その場合は、精神分析や家族療法といった専門的な技法を用いて、核となる問題をひも解いていく必要があるでしょう。

このように、心の問題の背景とそれに対して必要なアプローチはまさに十人十色です。銀のすすPremiumでは、「コロナうつ」「コロナ不安」といった漠然とした言葉の背景にある、ひとりひとりの心に真摯に寄り添うカウンセリングを目指しています。感染対策にも万全を期していますので、安心してご相談ください。

参考ページ:鬱(うつ)病 気分の波を改善するカウンセリング

参考資料:『新型コロナウイルス流行時のこころのケアversion1.5』(緊急時のメンタルヘルスと心理社会的サポート(MHPSS)に関する機関間常設委員会(IASC)リファレンスグループ, 2020)、『新・心理学の基礎知識』(中村義明・繁桝算男・箱田裕司編,2005)、

『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』(日本精神神経学会(日本語版用語監修),髙橋三郎,大野裕(監訳),2014)