心理師とは何をする人か その二 | 札幌でカウンセリングなら銀のすずプレミアム

札幌カウンセリング銀のすずプレミアム

カウンセリングの知識

背景

お気軽にお電話ください
TEL. 011-219-2198

TEL

対面カウンセリングの
ご予約

Counseling

オンラインカウンセリングの
ご予約はこちら

Counseling

心理師とは何をする人か その二

「心理師」が何をするひとなのか、
という冒頭の問いに戻ります。

古代に生きていた人々と同じように、
この「なぜ」に対する答えを求めて
くるクライエントには、ひと言でいえば
「何もしない」。

正確に言うと「何もできない」のです。
少なくともカウンセリングの現場では
それを痛感することが多い。
なぜなら、前述したとおり、からです。

「先生、なぜ私は生まれてきたんですか」
「先生、どうして私の娘は自分から死なな
ければならなかったんでしょうか」
「先生、どうしてお母さんは僕を叩くの」
「どうしてお酒がやめられないんでしょうか」。

 

 

古代のシャーマンたちが、このような人々の
「なぜ」に答えることができたのは、
彼らが月や太陽を初めとする大自然の摂理
ついての知識があり、そこに敬意を払って
いたからでしょう。

また彼らには、その壮大な自然の恩恵を享
けて生きる人間もその一部に過ぎない、
という自覚があったから。

人類を育んでいる自然の偉大さを知って
いたからこそ、その摂理に反した自分た
ちを反省し、祈りを捧げ、
その「声」を受け取ることが
可能であったように思います。

言い換えれば、自然界における人智を超え
たちからに対して敬意を払っていた時代は、
病や災いにはそれぞれ意味があって、
それらを改めることで事態は改善するという、
いわば自然崇拝の信仰のもとに人々は暮らし
ていました。

したがって、たとえ結果的に事態が変わら
なくとも、その病や災いがなぜ起きたのか、
またはなぜ治まらないのかということに対
しての答えが得られたので、
人々は納得していたのです。

 

 

コロナウイルスのようなどんなことが起き
てもそれは厳しい自然界の掟であり、
我々人間も例外なくその摂理に従わねばな
らない、と現実を受け入れることができて
いたということらしいです。

私たちが自然界の織り成す光景を目の当た
りにしたときや自分の数奇な運命に遭遇し
たときなどに、身体が打ち震えたり、
涙が流れたりすることがあります。

この敬意あるいは畏怖ともいえる感覚こそ
が人類が自然の大きな理(ことわり
物事の道理の意味)の上に生かされてい
るという証拠であるとともに、
太古の昔からひとの傲慢さを改めてくれる
鍵であり、人間のこころが健やかに在るた
めの「こころの理(ことわり)」のように
感じられます。

現代ではこの「理(ことわり)」が見失わ
れてしまったがために、人々のこころも闇
に包まれてしまっている。

シャーマニズムが姿を消したいま、
宗教者以外に人々の「なぜ」という問いに
対して真っ向から答えられる者はいなくな
りました。

しかし、歴史の中で
「homo-religiosus(ホモ・レリギオースス」
という概念が生まれたように、
その失われた「理(ことわり)」を求める、
というこころの本質はいつの時代において
も変わりません。

したがって研究を重ね、こころの理、
つまり心理の探求に生涯を捧げた多くの
心理学者が導き出した理論もまた、
それと重なるものがあります。

 

 

例えばかの有名なフロイトやユングなど
から生まれた「精神分析的臨床心理学」
という分野ですが、「深層心理学」とも
呼ばれ、人間のこころの深いところには、
我々がコントロールすることのできない
「無意識」の層があるということを前提
としています。

やや極端なたとえにですが、夫のDVに苦
しみ離婚した女性が、別の男性と再婚する。
しかしその男性もまたDVをするような人格
の持ち主であった、とします。

一見不幸な偶然が重なったように思われるが、
これを深層心理学では次のように捉えます。
「この女性はDVの傾向を持った男性を
(無意識的に)選んでいる」、

言い換えれば、
彼女の無意識が「DV被害に遭う」という状況
を繰り返し彼女の人生に再現させているのでは
ないか、と考えるのです。

 

 

そのようにして、カウンセリングの扉を叩く
クライエントの治療方針を考えていきます。

つまりこころを苦しめる要因は彼女自身
(の無意識)が引き起こしていることで、
その意味や向かうべきところもまた、
彼女自身が答えを持ち合わせているため、
私たち治療者がむやみに何かを提案する
ものではないという結論に至るのです。

したがって、治療の場ではクライエント
が語る内容にひたすら耳を傾ける。
もっといえば心理カウンセラ―は、
クライエントの無意識が真実を語りだす
まで、ひたすら待つのです。

このようにクライエントや、クライエン
トにまつわる現象を治療的に捉えるときは、
そこに「偶然」は存在せず、人間の意識で
はコントロール不可能な「無意識」のちか
らによって事が動いていると考えます。

シャーマンが自然や神々の声を頼りに病の
治癒に臨んでいたように、我々人間自身が
自然摂理の一部であることを思えば、
そのこころ(無意識)の声に耳を澄ませる
ことも、その理にかなっているのかもしれ
ません。

心理師とは何をする人ですかその一 | 札幌カウンセリング銀のすずプレミアム

心理師とは何をする人ですか その三| 札幌カウンセリング銀のすずプレミアム