抑うつ症状のセルフチェックをしてみましょう。
人口の約4割が札幌に集中する北海道のうつ病・躁うつ病の地域別罹患率は、全国ワースト5にランクインされています。(厚生労働省が3年ごとに行う近々のデータによる)
受診するほどではないけど隠れた心のケアを必要としている方は多いと予想されています。
最近では新型コロナウイルスの影響で、休業、休校、外出自粛要請など環境や生活パターン、経済状況
が精神が気づかないうちに抑うつ状態になっているケースもあります。
しかしメンタルヘルスについては、目に見えず他人との比較はしにくいものですし、心と体に不調を感じても、どの程度疲れているのか果たして相談に行く必要があるものなのか迷いますね。
心が疲れて元気がでない日が続いている時は、生活リズムや体調にも何かしらの変化が現れます。
自分では気づかないうちに怒りっぽくなったり、悲観的な考えや行動を周りの人から指摘され初めて気づくこともあります。
これらの心理状態は最近耳にするコロナうつ、コロナ離婚、コロナDV、家庭内虐待、多量飲酒などの結果をまねく要因となっていると報じられています。
新型コロナウイルスの影響によるストレスについては随時コラムに詳しくアップしていく予定です。
抑うつに話を戻しますが、気分が沈んでいる、なんとなく元気が出ない感じで収まっていれば自然に元へ戻る可能性はあります。しかし、一見いつものように振舞えても柔軟な考え方ができなくなった、外の世界への関心が持てなくなった、一人でいると悲しくて涙が出てくるような抑うつ状態になると心のケアが必要です。
(臨床では抑うつ気分と抑うつ状態は区別がされていますがここでは省略します)
抑うつは経験がない人には苦しみは理解しがたいものです。
例えば心がザワザワする、じっとしていられない(焦燥感)、部屋の中を歩き回る、動画やゲームに没頭していないと不安で落ち着かない、しなくてはいけない事が空回り、考えの堂々巡りが続きます。
これが始まると一人ではどうすることも出来ないもので、誰かに助けを求めたくなりますが理解がされにくいものです。抑うつ症状が繰り返されていたり、程度が軽くともメンタルヘルスケアのために心理師など専門のカウンセリングを受けてみるのが良いでしょう。
そこで客観的に抑うつ状態を知ることができる簡易テストを用意しましたのでチェックしてみましょう。
簡易抑うつ症状尺度(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS -J)は、16 項目の自己記入式の評価尺度で、アメリカ精神医学会の診断基準 DSM-IV の 大うつ病性障害(中核的なうつ病)の診断基準にも対応しています。
〈採点方法〉
睡眠に関する項目(第1-4項目)、食欲/体重に関する項目(第6-9項目)、精神運動状態に関する2項目(第15、16項目)は、それぞれの項目で最も点数が高いものを1つだけ選んで点数化します。
それ以外の項目(第5、10,11,12,13,14項目)は、それぞれの点数を書き出します。 うつ病の重症度は、睡眠、食欲/体重、精神運動、その他 6 項目を会わせて 9 項目の合計点数(0点か ら27点)で評価します。
日本語版自己記入式・簡易抑うつ症状尺度
(Quick Inventory of Depressive Symptomatology:QIDS -J)
〈睡眠について1~4〉
1.寝つき
0.問題ない(または、寝付くのに30分以上かかったことは一度もない)
1.寝つくのに30分以上かかったこともあるが、一週間の半分以下である
2.寝つくのに30分以上かかったことが、週の半分以上ある
3.寝つくのに60分以上かかったことが、(1週間の)半分以上ある
2.夜間の睡眠
0.問題ない(夜間に目が覚めたことはない)
1.落ち着かない、浅い眠りで、何回か短く目が覚めたことがある
2.毎晩少なくとも1回は目が覚めるが、難なくまた眠ることができる
3.毎晩1回以上目が覚め、そのまま20分以上眠れないことが、
(1週間の)半分以上ある
3.早く目が覚めすぎる
0.問題ない(または、ほとんどの場合、目が覚めるのは、
起きなくてはいけない時間の、せいぜい30分前である)
1.週の半分以上、起きなくてはならない時間より30分以上早く目が覚める
2.ほとんどいつも、起きなくてはならない時間より1時間早く目が覚めてしまうが、
最終的にはまた眠ることができる。
3.起きなくてはならない時間よりも1時間以上早く起きてしまい、
もう一度眠ることができない
4.眠りすぎる
0.問題ない(夜間、眠りすぎることはなく、日中に昼寝をすることもない)
1.24時間のうち、眠っている時間は、昼寝を含めて10時間ほどである
2.24時間のうち、眠っている時間は、昼寝を含めて12時間ほどである
3.24時間のうち、昼寝を含めて12時間以上眠っている
1から4までの小計〈 〉点
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5.悲しい気持ち
0.悲しいとは思わない
1.悲しいと思うことは、半分以下の時間である
2.悲しいと思うことが半分以上の時間ある
3.ほとんどすべての時間、悲しいと感じている
〈 〉 点
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〈食欲と体重について 6~9〉
6.食欲低下
0.普段の食欲とかわらない、または、食欲が増えた
1.普段よりいくぶん食べる回数が少ないか、量が少ない
2.普段よりかなり食べる量が少なく、食べるよう努めないといけない
3.まる1日(24時間)ほとんどものを食べず、食べるのは極めて強く
食べようと努めたり、誰かに食べるよう説得されたときだけである
7.食欲増進
0.普段の食欲とかわらない、または、食欲が減った
1.普段より頻回に食べないといけないように感じる
2.普段とくらべて、常に食べる回数が多かったり、量が多かったりする
3.食事の時も、食事と食事の間も、食べ過ぎる衝動にかられている
8.体重減少(最近2週間で)
0.体重は変わっていない、または、体重は増えた
1.少し体重が減った気がする
2.1キロ以上やせた
3.2キロ以上やせた
9.体重増加(最近2週間で)
0.体重は変わっていない、または、体重は減った
1.少し体重が増えた気がする
2.1キロ以上太った
3.2キロ以上太った
6~9までの小計 〈 〉 点
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10.集中力/決断
0.集中力や決断力は普段とかわりない
1.ときどき決断しづらくなっているように感じたり注意が散漫になるように感じる
2.ほとんどの時間、注意を集中したり、決断を下すのに苦労する
3.ものを読むこともじゅうぶんにできなかったり、小さなことですら決断できない
ほど集中力が落ちている
〈 〉 点
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11.自分についての見方
0.自分のことを、他の人と同じくらい価値があって援助に値する人間だと思う
1.普段よりも自分を責めがちである
2.自分が他の人に迷惑をかけているとかなり信じている
3.自分の大小の欠陥について、ほとんど常に考えている
〈 〉 点
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12.死や自殺についての考え
0.死や自殺について考えることはない
1.人生が空っぽに感じ、生きている価値があるかどうか疑問に思う
2.自殺や死について、1週間に数回、数分間にわたって考えることがある
3.自殺や死について1日に何回か細部にわたって考える、または、
具体的な自殺の計画を立てたり、実際に死のうとしたりしたことがあった
〈 〉 点
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13.一般的な興味
0.他人のことやいろいろな活動についての興味は普段と変わらない
1.人々や活動について、普段より興味が薄れていると感じる
2.以前好んでいた活動のうち一つか二つのことにしか興味がなくなっていると感じる
3.以前好んでいた活動に、ほとんどまったく興味がなくなっている
〈 〉 点
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14.エネルギーのレベル
0.普段のエネルギーのレベルと変わりない
1.普段よりも疲れやすい
2.普段の日常の活動(例えば、買い物、宿題、料理、出勤など)をやり始めたり、
やりとげるのに、大きな努力が必要である
3.ただエネルギーがないという理由だけで、日常の活動のほとんどが実行できない
〈 〉 点
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15.動きが遅くなった気がする
0.普段どおりの速さで考えたり、話したり、動いたりしている
1.頭の働きが遅くなっていたり、声が単調で平坦に感じる
2.ほとんどの質問に答えるのに何秒かかかり、考えが遅くなっているのがわかる
3.最大の努力をしないと、質問に答えられないことがしばしばである
〈 〉 点
16.落ち着かない
0.落ち着かない気持ちはない。
1.しばしばそわそわしていて、手をもんだり座り直したりせずにはいられない
2.動き回りたい衝動があって、かなり落ち着かない。
3.ときどき、座っていられなくて歩き回らずにはいられないことがある
〈 〉 点
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(以上です)
合計 〈 〉 点
原版 QIDSでは、点数と重症度は下記のようになっています。
0 - 5 正常
6 -10 軽度
11-15 中等度
16-20 重度
21-27 きわめて重度
合計点を算出することでうつ状態の変化を見ることができます。
6 点以上の場合にはうつ病の可能性があるとされています。まずご相談してください。