愛着障害・アダルトチルドレンの生きづらさを理解する
ある女性が中学生の頃に描いた
一枚の絵から ― | 札幌の公認心理師によるカウンセリング・オンライン相談
「なぜか人に頼れない」
「いつも自分を後回しにしてしまう」
「理由は分からないけれど、生きづらい」
こうした感覚を抱えている方の中には、
愛着障害、アダルトチルドレン(AC)と呼ばれる心の
背景を持つ方が少なくありません。
それは、目に見える問題があるというより、
長い時間をかけて心に積み重なってきた感
覚として、大人になってから現れてくること
が多いものです。

彼女が13歳の時に書いた絵
言葉にできなかった気持ちが、
絵として残っていた
今回ご紹介するのは、
現在30代のある女性が中学1年生の頃に描いた一枚
の絵です。※ご本人のご厚意により掲載しています。
当時の彼女は、
「心配してほしい」「気づいてほしい」という思い
を込めて、勇気を出して母親にこの絵を見せました。
けれど返ってきたのは、
「あー、よく描けたね」という、あっさりした反応。
その瞬間、彼女の中で
「やっぱり自分の気持ちは伝わらない」
という感覚が、静かに残りました。
言葉にできなかった思いは、
こうして形を変えて、心の中に残り続けることがあ
ります。
絵に込められていた“複雑な心の構造”
大人になった彼女は、カウンセリングでこの絵を
振り返り、当時の自分の心を次のように言葉にし
ています。
男性のキャラクターは「自分の投影」
- 自分の力が及ばない
- 関心を持ってもらえない
- 行きたくない方向へ導かれていく
また同時に、無関心な学校の先生や母親の象徴で
もあったそうです。
「誰も自分を見てくれない」
「気持ちを分かってくれる大人がいない」
そんな孤独がにじみ出ています。
ブレーカーに手が届かない
──止めたいのに止められない
絵の中には「BREAKER」と書かれたスイッチが
描かれています。
彼女はこれを、「止めたいのに止められない。自
由になりたいのに、解放されない」
という感覚の象徴だと語っています。
ACの方が抱える“自分ではどうにもできない環境”
への無力感が、ここに表れています。
ハサミは「自分を削られる感覚」
ハサミが身体に向けられているように見える部分
について、彼女はこう言います。
「自分を切り刻んでいる。削られていく感覚」
自分を責める癖、
自分を価値のない存在だと思い込む癖、
ACの方が長年抱えてきた“自己否定”が象徴的に
描かれています。
「自分は欠陥品でモンスター」
──ゆがめられた自己像
彼女は当時の自分を、
「生かせてもらえているがナチュラルではない。
元は人間だったが何かにゆがまされている」
と表現しています。
これは、家庭環境の中で“本来の自分”を押し殺し、
親の期待や空気を読み続けた子どもが抱きやすい
感覚です。
「本当の自分では愛されない」
「自分はどこか欠けている」
そんな思い込みが、長い年月をかけて心の深い部
分に根づいてしまうのです。
これらはすべて、
安心して気持ちを出せなかった環境の中で、必死
に適応してきた心の表現だと考えられます。
アダルトチルドレンの生きづらさは、
性格の問題ではありません
ここで大切なことをお伝えします。
アダルトチルドレンの生きづらさは、性格の問題
でも、弱さでも、甘えでもありません。
- 気持ちを受け止めてもらえなかった
- 本音を出すと傷つく経験をしてきた
- 「大丈夫な子」でいることで居場所を守ってきた
そうした体験の積み重ねが、
大人になってからの感じ方や人との距離感に、
影響を与えているだけなのです。
この生きづらさには、理由があります
もしこの記事を読みながら、
- 自分のことのように感じた
- 昔のことを思い出して胸が苦しくなった
- 理由は分からないけれど心が反応した
そんな感覚があったとしたら、それはとても自然
な反応です。
生きづらさは、
突然生まれるものではありません。
これまでの環境や体験の中で、
そう感じるようになった理由が、必ずあります。
まずは、
「自分に何が起きていたのか」を
静かに理解していくことが、最初の一歩になります。
もっと詳しく知りたい方へ
アダルトチルドレンの生きづらさについて、もう少し
整理して理解したい方や、専門的な視点からの説明を
知りたい方は、こちらのページも参考にしてみてください。
▶︎ 札幌でアダルトチルドレン(AC)のカウンセリングについて詳しく解説しています
札幌大通カウンセリング銀のすずプレミアム|アダルトチルドレン(AC)へのカウンセリング
まとめ
生きづらさには、必ず理由があります。
それは、あなたが悪いからではありません。
これまで必死に生きてきた心を、
これからは少しずつ
理解し、いたわっていくことができます。
この記事が、そのきっかけの一つになれば幸いです。
著者:土井裕(公認心理師・精神保健福祉士)
札幌で心理カウンセリングを行っている 土井裕(どい ゆたか) です。
このブログは、悩みや不安を抱えている方が、少しでも気持ちを軽くして前向きになれるきっかけになればと思い書いています。
専門的な内容もできるだけわかりやすく、やさしい言葉でお伝えするよう心がけています。
「ちょっと読んでみようかな」と気軽に立ち寄っていただける、そんな場所になれば嬉しいです。

